まずは、7月27日に発行予定の「バイオベンチャー大全」の宣伝です。
 これは当社のバイオセンターが総力を挙げて取材執筆したバイオベンチャーのディレクトリーです。今や氷河期のバイオベンチャーですが、ベンチャー投資やライセンスは逆張りが基本。米国標準では今が一番、バイオベンチャーの旬であると思います。7月26日までは、早割り20%でお申し込みいただけます。下記からどうぞお申し込みをお急ぎ下さい。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/recommend_pub/17.html
 アジアカップの準決勝の相手はサウジアラビアに決まりました。
 この速くて強いチームを相手に、わがチームは死力を尽くさねば勝利は難しいでしょう。1人少なく、ディフェンス1人が脚をつっていたオーストラリアを、PK戦でやっと下すようでは先が思いやられます。がまあ、しかし、良く勝ちました。一戦一戦強く成長しているのは凄いなと実は思っております。四ッ谷の周辺に数件ある、スポーツバーにも日本代表の旗が掲げられるまで盛り上がって来ました。次も期待させて頂きましょう。
 さて期待といえば、「続報、第一三共、フェーズIIIの大型抗体医薬、デノスマブを導入できた理由と商品化までの難問」という記事です。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/5554/
 7月13日に一報し、続報を期待下さいと、大見得を切ってさんざん皆さんに期待させながら、今まで執筆時間が取れず、やっと今日のお昼に続報を書き上げました。
 この記事で言及したのは、今回の第一三共と米Amgen社の提携は、骨粗鬆症と骨転移治療薬で、尚かつ欧米ではフェーズIIIに入っている超大型抗体医薬、デノスマブの単純なライセンスインではなかったという事実です。第一三共が独自に持っていた知財が技術導入の鍵となったのです。単純な技術導入が高くつき、そして困難になった今、導入の切り札として、皆さんが90年代に開発し、お蔵入りしてきた知財を再評価、棚卸しする必要があると思います。
 バイオは知識資本主義の先端産業です。知識資本主義と異なり、お金や販売力は、技術や新製品導入の二次的な貨幣になってしまいました。まず、海外からライセンスインするためにも、その分野の知財がより高い価値、つまり知財を知財で買う、知財が新技術や新商品を導入する際の貨幣となってきたことを、強く感じました。
 取材の切っ掛けは単純なことでした。
 アムジェンはノバルティスから折原新社長を今年迎え、国内での臨床開発に力を入れる体制を敷きました。そして、自社開発するフランチャイズをがんに絞りました。今回の第一三共のライセンスアウトは、当初の方針に背く決断だったのです。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/3602/
 調べていくうちに、最終的には第一三共がデスノマブの標的である破骨細胞の分化を誘導する受容体(RANK)と結合するリガンド(RANKL)に関する知財を持っており、これがデノスマブの国内での独占開発・販売権確保の決め手となったことが明らかになりました。
 同社の知財は元はといえば、旧雪印乳業生物科学研究所のグループが昭和大学などわが国の骨形成因子の研究グループと築き上げたものでした。わが国の骨関連の生化学研究は世界最先端でした。実際、このグループは1995年に、米Amgen社とほとんど同時に破骨細胞形成抑制因子(OCIF)をクローン化に成功していました。思い出せば、両社が轡を並べて、違う名前で同じ物質のクローン化を発表した学会に同席していました。ここで、雪印とAmgen社のグループが発表後に極めて濃厚な議論をしていたことを思い出しました。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/0000/5754/
 
 Amgen社はオステオプロテゲリン(OPG)と呼び、やはり同時にクローン化、90年代には組み換えOPGを骨粗鬆症の治療薬として臨床試験に入りました。現在のAmgen社のパイプラインには載っていないので、既に開発を中断している模様です。98年に旧雪印乳業と提携した三共も組み換えOCIFの臨床試験をかつて準備していましたが、今回の提携で、デスノマブに乗り換えたことが明白となりました。
 実は、OCIF/OPGはデノスマブの標的であるRANKL/ODFと生体内で結合し、破骨細胞が過剰に作られるのを抑止している物質そのものでした。抗RANKL抗体、デノスマブは、Amgen社にとっても、第一三共にとっても、組み換えOCIF/OPGを代替物であったのです。これは推測ですが、同じ作用を示すなら、血中半減期の長い抗体医薬の方が、生体内のリガンドであるOCIF/OPGより医薬品として優れていると判断した可能性が高いのではないでしょうか? ちなみに、昭和大学と旧雪印乳業生物科学研究所のグループはOCIF/OPGと結合するリガンド、つまりRANKL/ODF遺伝子のクローニングにも成功していました。この知財の独占実施権をAmgen社に今回の提携で提供、そのため欧州と日本でデノスマブが発売された場合、Amgen社は第一三共にロイヤリティを支払う契約となっています。
 旧雪印乳業の医薬事業は、サントリー→第一製薬に移り、最終的には第一三共へと集約化されました。今回、第一三共がライセンスアウトしたRANKL関連の知財の詳細は開示されていませんが、第一製薬経由と三共経由の両方が対象となったのではないかと勝手に推測しています。Amgen社なら将来のリスクを低減させるために、ごっそりと知財を持って行くはずです。
 いずれにせよ、今回の提携で是非とも皆さんに注目していただきたいのは、バイオの基礎研究は決して無駄にならないということです。創造的な基礎研究が、技術導入の交換価値を生むということです。
 7月は勉強月間、いよいよ最後のセミナーは、「miRNAが変える創薬、がん、発生」です。抗体医薬以上の技術革新が起こっています。勿論、抗体医薬では対応できない創薬標的としてmiRNAが注目されています。今こそ、ここに着手しないと、また、わが国は抗体医薬出遅れの轍を踏むことになります。今回はわが国のmiRNA 研究のパイオニアが勢揃いします。1万倍以上高感度の次世代アレイが登場し、網羅的にmiRNA研究がやっと今年可能となりました。そのデータも本邦初公開の予定です。残席わずか。どうぞ、下記よりお申し込みをお急ぎ下さい。
 助教までの若手研究者の無料招待を今晩から開始いたします。これからの若手研究者にこそ、このセミナーにご出席いただきたいと願っております。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/070726/
 今週も皆さん、お元気で。
 PS
 知識資本主義のエンジンは、なんと言っても人財です。
 バイオ事業を拡大したい、あるいはバイオ事業に参入したい、そういった企業にとり、人財を確保できるかどうかが、成功と失敗を分ける分水嶺となります。
 お陰様で、BTJとBTJ/HEADLINE/NEWSはバイオ人材の求人情報ポータルに成長して参りました。既に年1000件以上の人材広告を掲載、いずれも良質な人材の確保が出来たと好評です。
 これを受けて、7月はバイオ人材のキャンペーンを展開します。
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