アジアカップ第二戦、第三戦には皆さんも溜飲を下げたのではないでしょうか?高温多湿のベトナムで、日本のフル代表は強さをやっと発揮してきました。尚、守備の乱れで1点献上するという悪い癖は残るものの、確実にアジアの頂点へと成長しつつあります。次の相手はオーストラリア。ドイツワールドカップのリベンジを期待します。日本代表の陰に隠れましたが女子テニスのフェデレーションカップで日本はとうとうドイツに惜敗し、2部降格。若手を中心に挑んだ日本チームは大泣きした模様ですが、この涙が世界へ若手が羽ばたく出発点となります。テニス連盟の決断に敬意を払いたいと思います。
 さて、お陰様で7月12日の抗体医薬のセミナーは満員となり、熱い議論を戦わすことができました。わが国の製薬企業が総て勢揃いしたほどで、ある大手製薬は10人近い職員を派遣しました。そういった企業が多数参加、わが国の抗体医薬に対する熱い関心の高まりを実感することができました。
 セミナーの結論は、「がんは抗体医薬の最適な標的であり、今後も開発は進む。今後は同じ標的でも、認識する部位(エピトープ)による薬効の差が問われるようになる。また、抗体を機能性分子として捉えることから、抗体を標的を認識する分子として活用、抗がん効果などは抗体のFc部位による抗体依存性細胞障害作用や補体依存性細胞障害作用に期待せず、放射性同位元素や抗がん剤などを標識することで、全体として抗がん剤開発を狙う。更に、がん組織への浸透性を確保するために、抗体はより低分子化する方向に向かう」といったことが明確にされました。
 今までは抗体医薬とは、といった入門編のセミナーでは得られないリアリズムがありました。中でも、「最初の抗体医薬の臨床開発には20億円もの投資が必要だった」(キリンビール)の指摘は極めて重要です。臨床試験用の抗体の発酵生産設備、長期安定性試験、マスターセルバンク作成、それぞれのステップでの検査など、抗体医薬を開発するための初期投資は低分子と比べ、かなりの負担です。一度、こうした抗体医薬臨床開発のプラットフォームに投資し終えたキリンビールですら、臨床試験にまで入るコストは低分子医薬の数倍の負担が必要です。
 わが国のバイオベンチャー企業やトランスレーショナルリサーチを狙う大学では、臨床研究すら費用の壁に阻まれてしまうのが現実です。札幌医科大学には極めて有望な抗がん抗体がありますが、実用化に手を挙げる企業は現れていません。抗体医薬を標榜して創設されたわが国のバイオベンチャー企業も臨床試験でPOC(効果の証明)を得るまでの資金調達に難航し、なかなか臨床開発を進めることに苦労している企業も多いのです。
 今回のセミナーでは、免疫生物研究所など、臨床に入る前の段階で、抗体医薬をライセンスするビジネスモデルが、わが国には好適であると注目されました。残念ながら、新興企業向けの株式市場が低迷するわが国では次善の策ですが、止む得ない選択だと思います。
 ただ問題は、ではどこまで動物モデルで薬効を証明できれば、大手製薬企業との提携が可能なのか? という点です。今のところ、これはすっきりとした回答がありません。実績ある大学と提携して、可能な限りヒトに外挿して、効果が期待できる抗体を動物実験で証明することとしか、表現できない情況です。
 抗体の安定性や凝集性など、通常、親和性と特異性の強い抗体をひたすら選択している研究者には、気がつかなかった抗体を医薬品として開発する時に必要な評価項目が具体的に指摘されたのも、今回のセミナーの収穫でした。
 抗体と抗体医薬の間には、想像以上の溝があることを、ご理解いただけたと考えます。参加者からの要望が強かった、次世代抗体、中でもファージディスプレイなどの革新技術を次ぎの抗体セミナーでは取り上げてみたいと考えています。皆さんからもご意見をいただければ幸いです。
 7月は勉強月間、いよいよ最後のセミナーは、「miRNAが変える創薬、がん、発生」です。抗体医薬以上の技術革新が起こっています。勿論、抗体医薬では対応できない創薬標的としてmiRNAが注目されています。今こそ、ここに着手しないと、また、わが国は抗体医薬出遅れの轍を踏むことになります。今回はわが国のmiRNA 研究のパイオニアが勢揃いします。1万倍以上高感度の次世代アレイが登場し、網羅的にmiRNA研究がやっと今年可能となりました。そのデータも本邦初公開の予定です。残席わずか。どうぞ、下記よりお申し込みをお急ぎ下さい。
 助教までの若手研究者の無料招待を今晩から開始いたします。これからの若手研究者にこそ、このセミナーにご出席いただきたいと願っております。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/070726/
 明日、神戸に向かいます。今週も皆さん、お元気で。 PS お陰様で、BTJとBTJ/HEADLINE/NEWSはバイオ人材の求人情報ポータルに成長して参りました。今月も続々とバイオ人材を求める広告を掲載いたします。
 7月はバイオ人材のキャンペーンを展開します。
 今、喉から手が出るほど、優秀なバイオ人材を求めている企業にとって、人材獲得の鍵はこのサイトとメールサービスに揃っております。是非とも、一度お試しいただき、未来の成長のエンジンを確保してください。詳細は、下記のメールにて、お問い合わせ願います。
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