羽田から飛行機で60分、庄内空港に到着しました。
 現在、近く発刊する「ベンチャー大全」の取材で飛び回っております。この本は我が国のバイオベンチャーの集大成にしたいとバイオセンター一同、気を引き締めておりますので、どうぞご期待願います。
 少し冷やりとした外気に触れる間もなく、タクシーに飛び乗ってヒューマンメタボロームテクノロジー(HMT)に向かいました。陽の光に照らされて、路面が濡れています。
 「村雨が降ったようです」。
 タクシーの運転手さんがぼそっと一言。うーん時代劇見たい。
 皆さん、村雨って知っていましたか?
 私も思わずGoogleで検索しましたが、驟雨、とおり雨のことですね。鶴岡にはこうした日本語の美しい表現が残っています。まさに藤沢周平の世界です。
 この鶴岡に、今でもなかなか信じられないのですが、世界最大のメタボロームの解析能力を持つ慶応義塾先端生命科学研究所とそのスピンアウトベンチャーのHMT が存在するのです。今まで、政治も経済もそして学問も、明治以来、中央集権でやってきて、今や制度疲労の極みにまで到達した日本の次の未来を開く希望があると思います。和魂洋才の掛け声で、明治時代に先進国の仲間入りをした我が国が、欧州列強のアジアの植民地支配からの脱却を図るため、いわば恐怖心から欧州の文明を取り込んだのですが、現在の我が国は欧州の模倣では勝てない状況に追い込まれています。ここは、我が国や日本が好きな外人のオリジナリティを生かした独創的な技術や研究で勝負するしかありません。
 和魂和才英通。
 上記の熟語がとても正しいとは思えませんが、我が国の独創を英語で世界に伝え、その良さを地球で共有するという意味です。英語が事実上、科学の共通言語になった以上、英語での情報発信は不可避です。近く募集が始まる文部科学省の世界トップ拠点形成プロジェクトでも、ここはかつての出島のように、制度疲労している国立大学法人から隔離した環境を作り、世界の才能を呼び寄せる大胆なたくらみが展開されています。海外からの研究者が30%以上が共存するこの拠点では、必然的に第一外国語は英語にならざるを得ないでしょう。こうした環境なら、我が国の若手研究者の英語力も飛躍的に伸びることは間違いありません。とにかく、学問的な鎖国を一刻も早く開国することが重要です。
 では、和魂和才が本当にあるのか?
 それを知りたい方は、ぜひとも4月20日、千里ライフ再選すセンターで開催されるバイオビジネスコンペJapanの本選会にご参加願います。日本中の大学、ベンチャーから寄せられたバイオ技術やバイオビジネスのプランの最終選考会です。
 まさに、バイオの甲子園の今年の勝者は誰か?ここをモニタリングしていれば、我が国のバイオの水準やそれを企業化しようという才能のレベルが分かります。
 2007年4月20日(金)午後1時~同4時30分  場 所は 千里ライフサイエンスセンター 5階 ライフホール。 詳細は下記のサイトをご覧下さい。
http://www.biocompe.jp/
 さて、金曜日にメールで3つのお願いをいたしましたが、そのうち2つのお願いでアクセス先のリンクを書きそびれるという誤りを犯しました。そろそろやきが回ってしまったのでしょうか、申し訳ありません。以下に再掲させていただきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
 まずは、5月の連休明けから米国Boston市で開催されるBIO2007ツアーへのお誘いです。かなりの確度で、松坂投手のレッドソックスの試合も観戦できる可能性(但し、現在のところ10%以上)が出て参りました。
 今回はそんなことが実現できなくても、来年米国のバイオベンチャー企業の収支をすべて合計すると黒字転換する、画期的な次期を迎えます。日本では、バイオベンチャーが愚かな金融監督庁のおかげで塩漬け状態ですが、米国、欧州、そして日本を除くアジアパシフィックのバイオ産業は今や日の出の勢いです。その歴史的なシンポ・展示会に参加できるだけでも意味があります。
 今回のツアーは、大阪商工会議所と米国大使館の主催であり、まだ公表はできませんが、ボストン1のバイオベンチャーGenzyme社の製造設備に至るまでの見学に加え、Boston周辺の主要な大学と最先端のバイオ研究機関を直に訪問できることに成っております。どうぞ下記から詳細にアクセスの上、お申し込み願います。
http://www.osaka.cci.or.jp/Seminar_Event/bio2007_mission/index.html
 第二のお願いは、ウォーターズが始めたiResearchβのご案内です。
 メタボロームこそが次世代のオミックスの鍵を握るものだと思っております。複雑な遺伝子発現やたんぱく質のネットワーク×環境が生命現象だと単純化しても、結局生命結果として生み出される代謝産物のプロファイルは、遺伝情報と環境のかけ算の答えではないか、つまりここからシステム生物学を構築すべきだと考えています。
 ウォーターズはメタボローム解析に長年力を入れてきた企業です。
 今回、メタボローム解析のためのセミナーを皆さんのご都合に応じて、出前するプロジェクトを開始しました。これは単なる宣伝を越えて、メタボロームという技術の普及啓蒙に役に立つと判断、BTJも支援させていただきます。
 下記の記事に詳細のリンクがありますので、どうぞご覧になって、出前セミナーをお申し込みいただければ幸いです。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?newsid=SPC2007040345475
 最後にもう一つ、4月27日のBTJセミナー、マイクロアレイを使ったがん研究の突破口の講師陣が確定しました。今年、現在報告されているDNAチップやマイクロアレイを利用したがん研究に関する論文の60%に問題があると指摘した、米国国立がん研究所のSimon博士を国際回線でつなぎ、我が国のがん遺伝子発現研究と新進気鋭の生物統計学者を招聘、今回はとことん、どうやってがん研究にDNAチップやマイクロアレイを活用すべきか、討論したいと思っています。
 今、皆さんが根拠にしている遺伝子発現解析の論文は果たして信頼に足るのか?
 今後、どうやってプロトコールを立てれば、信頼ある結果を遺伝子発現解析研究で得られるのか?
 がんばかりでなく、幅広いバイオ研究者にとっても必見のセミナーです。定員200人の募集ですがもう半分埋まりました。
 どうぞ下記より詳細を確認の上、お早めにお申し込み願います。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/070427/
 会場で皆さんとお会いすることを、楽しみにしております。
 皆さんは、どうぞ今週もお元気で。