まずは、2007年7月から開始することを決定しましたバイオファイナンスギルド第6期への参加募集から、お知らせいたしましょう。やや長いので、ご興味の無いかたは途中の●●●からお読み下さい。但し、バイオファイナンスギルドは、もう5年以上実績を積んだ、バイオの目利き育成プログラムですので、是非とも一度目をお通し願いたいと思います。先着20人の募集です。
 バイオファイナンスギルド第6期募集とその意義
 2007年、バイオベンチャーにIPOの波が再びやってきます。
 しばらく低迷していた、バイオベンチャー企業の投資ウィンドウがまさに開かんとしているのです。
 米国では昨年から再生医療関係のベンチャー企業を中心に、株式公開の波が始まっています。
 欧州では過去最大のバイオ投資ファンドが年初に成立しました。会計事務所アーンスト&ヤングの調査では、2008年に米国のバイオ産業全体が黒字転換、続いて2010年には全世界のバイオ産業も黒字転換する見込みです。
 世界のバイオ産業は新たな段階に突入しようとしているのです。
 我が国でも、3月に免疫生物科学研究所がヘラクレスで株式を公開します。続いて年内に3~5社以上のバイオベンチャー企業の株式公開が行われる可能性が濃厚となってきました。今まで停滞していたバイオベンチャー投資が、資金回収の第2のサイクル、そして再投資へと我が国でも向かうのです。
 背景には、20世紀の末に、バイオテクノロジーと異分野の技術融合によって生まれた第二の技術突破の大きなうねりが存在します。今まで医薬品・診断薬、農業の一部に商業化が限定されていたバイオ産業は、地球環境問題から、医療、そして健康サービス、情報分野まで商業化の可能性が拡大しました。インターネットベンチャーの花形である米国Google社の研究開発責任者が脳科学者であることを忘れてはなりません。
 私たちはバイオ産業飛躍の第二の波に直面しているのです。絶好の投資のタイミングがやってきたのです。
 一方、ファイザーやグラクソスミスクラインは、我が国の研究所を閉鎖しました。
 これは日本の生命科学に絶望したためではありません。ブロックバスター神話の崩壊は勿論背景にはありますが、本質的には自社の研究資源では新薬のパイプラインを拡充することは非効率であることにビッグファーマが気がつき、新薬シーズの供給を小さくて創造的な組織、つまりバイオベンチャー群に委ねる決断の結果なのです。
 自社研究からバイオベンチャーとの戦略的な提携を目指す、あらたな研究開発のビジネスモデル、オープンイノベーションの波に乗る戦略です。製造業や製薬企業にとっても、バイオベンチャーへの投資や戦略的提携は不可欠となってきたのです。
 バイオ産業飛躍の第二の波、そしてオープンイノベーションの波に翻弄されず、正しい波に乗るにはどうしたらよいのか?
 我が国の2000年から始まったバイオベンチャー株式公開の第一の波の後、株価低迷で懲りた投資家も多いと思いますが、ここでバイオ投資に萎縮するのは歴史的な誤りを再び犯すことになります。
 より確実なバイオ投資、より確実な技術導入を行うために何よりも鍵を握るのは、人材とその人材を支えるネットワークです。たとえ目利き人材がいたとしても、個人では現在の技術発展のスピードに対抗できません。バイオファイナンスギルドは、産学官より最高最善の人材を集結して、バイオに対して的確な投資判断と技術導入の判断を行える人材を育成する教育プログラムであると同時に、バイオの投資や技術開発のエンジンとなっている人材ネットワークへの扉を開くものです。
 2006年度のバイオファイナンスギルドの議論の中から実際の投資や技術提携が誕生しています。また、バイオを取り巻く、政府や市場の規制にも影響を与えつつあります。夏の実習の成果から、メタボロームのベンチャー企業設立が誘導されるなど、バイオファイナンスギルドはバイオ産業化のうねりを創り出しています。
 ぜひともこの絶好の機会に、バイオファイナンスギルドに人材を送り込み、貴社のバイオ投資や技術導入を成功に導く人材の育成を行っていただくようお願いいたします。
 
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          バイオフロンティアパートナーズ代表取締役社長 大滝義博
          日経BP社 バイオセンター長          宮田  満
バイオファイナンスギルド6期カリキュラム予定
           (予告無く変更がある場合もあります) 
7月  オリエンテーリング+抗体医薬の技術突破
    中外製薬、免疫生物学研究所、キリンビール
    
9月  第一週 実習、慶應義塾大学先端生命科学研究所
    基礎から最新のバイオ技術まで体感
9月  次世代ゲノムシーケンスのフロンティア
    Illumina社、Roche社など次世代シーケンサ企業、ザナジェン
10月  ビジネスになるか、バイオチップ
    アフィメトリック、名古屋大学大沢、アルバックなど
11月  実用化目前の個の医療
    サインポスト、オーダーメイド創薬、大鵬、京都大学など
12月  RNA工学の夢と現実
    日本新薬、アルファジェン、林崎(RNAワールドの全貌) 
1月  新春展望
    バイオトップアナリスト、
07年を代表するベンチャー企業(グリーンバイオ)
2月  復活するか?遺伝子治療
    タカラバイオ、アンジェスMG、ジーンメディシン、オンコリス
3月  再生医療ベンチャーの再生
    JTEC、日本ケミカルリサーチ、サイトリ
4月  ガン創薬ベンチャーの実態
    キャンバス、ジーンケア、熊本大学・国立がんセンター東病院
5月  DDSベンチャーは成立するか?
    LTTファーマ、高研、ナノキャリア、トランスキューテクノロジー
6月  健康産業へのベンチャー参入の切り口
    バイオマーカーサイエンス、NTTデータ、経済産業省、新規ベンチャーなど
 参加費用 年間 150万円(複数人数割引あり)
 お問い合わせ、お申し込みはbtj-ad@nikkeibp.co.jpまで。先着20人限定です。
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 散々メディアあ煽ったので、今回のアカデミー賞は誰か日本人が入るのではないかと期待させられましたが、終わってみれば、メークアップ賞まで含め全敗。なんだか、荒川静香抜きの冬季オリンピックのような惨状です。しかし、これだけ騒がれるほど、日本の才能がハリウッドに貢献するようになっただけでも、格段の進歩だったのではないでしょうか? 特に、オーディションから這い上がった菊地凛子さんの今後の活躍には大いに期待したいと思います。サッカーも野球もそうですが、国際的に競争力のある人材がどんどん海外で名を挙げていることを聞くと、爽快な気持ちになります。生命科学でも、そうした人材を取り上げる努力をしなくてはなりません。
 どなたか、菊池凛子さんや中村俊輔に匹敵する若き生命科学者をご存知でしたら教えて下さい。是非とも取材させていただきたいと思います。
 明日、文部科学省で、国際競争力のある研究拠点を大学や公的研究機関に創成するための、世界トップレベル研究拠点プログラム委員会が開催されます。これによって、一年あたり15億円、10年間投資をして、全国に10カ所ほどの本格的な研究拠点が形成されることになります。今までのCOEのような、結局、日本中にばらまかれ、何の格差も競争生まなかった、その結果、わが国の大学の国際的な評価がずるずると低落し続けることに、何の歯止めもかからなかったことに対する反動です。昨年末に総合科学技術会議が提案し、文科省が大騒ぎで準備を進めています。似たようなCOEプログラムがまだ混在しているため、多くの大学研究者にはまだ正確な区別がついていないという、酷い大混乱状態にあります。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/2298/
 しかし、めざとい大学や理研、産総研などは、指定を受けるべく、有名教授・研究者のスカウト合戦を水面下で繰り広げています。大阪大学からはアポトーシスの有名教授が京大に移籍することがほぼ決まった模様です。大阪大学の免疫をテーマに研究拠点申請する計画で、京都大学から教授をスカウトする噂が出ております。かつてこのメールでも、大学の巨人軍化が始まると懸念しましたが、今回の拠点形成、つまり文科省主導の大学メジャーリーグ形成によって、それはどんどん拍車がかかることになります。
 勿論、潤沢な資金も魅力ですが、今回研究拠点に指定されることが、大学にとって研究大学として国に認知されることになります。旧7帝大+理化学研究所、産総研、2つの大学院大学、東京工業大学、早慶、立命館などが入り乱れて覇を争うことになりますが、予算の制約上、今回は「待てば海路のCEO」という訳には参りません。
 
 つまりここで、研究大学と教育大学の選別が行われるということです。表現は悪いですが、入れ替え戦のない野球のメジャーとマイナーリーグのように大学も分化する仕組みです。
 
 私の最大の懸念は、常に創造的な研究は若い研究者の非常識から起こる歴史の教訓に、この世界拠点形成が叛くのではないか?ということです。実績主義、有名教授の羅列だけでは、本当に国際的な競争力を競う拠点はできないからです。いかに次の20年を託せる若き才能を発掘し、活かす機能とアイデアを評価するか?
 明日、その鍵を握るプログラム委員会の委員の顔を見に、取材に参ります。
 委員長は誰か? これは一種のスクープですが、京都大学の井村裕夫名誉教授です。是非とも、実績主義を超える評価を下していただきたいと思います。
 バイオの菊池凛子を見出す努力が不可欠です。 本日は長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
 
 今週も皆さん、お元気で。